地域に出て活動する
学生紹介


田中 俊幸 氏
臼井 良介 氏
森本 智美 氏
田中 壮一 氏
藤本 穣彦 氏

地域に出て活動する
団体紹介
平成16年度
セミナー報告
 
田中壮一(たなかそういち)
田中 壮一(たなか そういち)
1983年2月8日生まれ

■出身■
島根県平田市(合併で消えても忘れないで…(泣))

■大学での専攻■
行政学。とりわけNPOについて。

■略歴■ 
・ 島根生まれ島根育ち、生粋の島根っ子。うんすーふらた(雲州平田)弁を使いこなす。
・ のほほんと暮らしてきたが、大学3回生の時、生活が一変。あつーい指導教官に感化され、積極的に地域に出ていかなければ、と思うようになる。
・ 現在大学4回生。今春卒業予定。
 
1.島根県地域いきいき活動促進条例(NPO活動促進条例)案の作成・陳情
  島根県でのNPO等の活動を促進することを目的とした「島根県地域いきいき活動促進条例(NPO活動促進条例)案」。この条例案は、私が所属するゼミ(行政学ゼミ)のプロジェクトとして2003年11月頃から作成され、2004年の9月27日、島根県議会に陳情したものだ。
議会はこの条例案を採択。これによって、NPO促進のための条例が作成されることになった。
条例案の根底には、「知と汗を持ち寄って、地域のことをみんなで考えよう!」という思いが流れている。ゼミを通じ、NPO活動へ参加した経験から強く感じたことだ。
市民活動の分野でよく言われるように、成長社会から成熟社会へと変化する中、これまでなかった様々な課題やニーズが、地域社会にあふれてきている。特に島根県では、地理的、文化的な背景の違い、山間部を中心とした過疎化・少子高齢化の進行から、問題はより多様になっている。
これまで、こうした課題解決に中心となって取り組んできたのは「行政」。しかし、財政難、画一性といったその独特の性格から、これまでのような体制を維持していくことは、不可能だと思う。いま、みんなで地域を担うという、新しい地域社会が求められているのではないだろうか。
もちろん、NPO活動の促進は大切だ。でも、もっと大切なのは、地域を構成する全ての主体(行政もNPOも企業も市民も学生も…)が、自分の住む地について考え、知と汗を持ち寄ることだと思う。
私たちの条例案は、NPO等の活動促進が直接の目的。だが最終的には、そうした“持ち寄りの社会”が実現されることが、大きな理想なのだ。

2.新潟県中越地震被災地復興ボランティア
  新潟県中越地震をきっかけに、島根の大学生による「島根学生災害ボランティアネットワーク」(島ボラネット)を立ち上げ、2004年11月28日?12月11日までの2週間、被災地に入り、復興支援のボランティア活動を行った。島根大学と県立大学の学生、総勢40名のメンバーだ。
行動を起こしたのは、ただ純粋に「何かしなければ!」と思ったから。
もちろん、募金などの一般的な形で支援するのでもよかった。募金も立派な支援だし、直接現地にボランティアに入ることと大きな差があるわけではない。
では、なぜあえて新潟までボランティアに行ったのか?それは、私たちが「学生」だからだ。
学生は、わりかし暇だ。もちろん、バイトやいろんな活動で忙しくしている人もいるから一概には言えないが、少なくとも社会人ほど拘束を受けない。よく分からないが、社会人が会社を二週間休む、というのは、難しいことなのだと思う。
その点、学生は融通が利く。講義があるといっても、必ず出席しなければならないわけではない(不良学生ではないですよ(笑))。それに、ボランティアに行くことをきちんと説明すれば、公欠を認めてくれる担当教官だっているかもしれない。要するに、一番動きやすい立場にあるのだ。
ボランティアは、こうした学生の特性を活かした支援だと思い、有志を募って被災地に入った。
正直言うと、被災地に入った理由は、きれいごとばかりではない。どこかしら、自分の成長につながれば、という思いがあった。でもこれは決して悪いことだとは思わない。むしろ動機はいろいろあっていいと思う。最終的に、被災地の復興支援につながっているのだから。
ただ、100%自己満足のためかといえば、それも正しくない。自分の成長を、島根県や近隣県の防災体制構築に役立てられれば、という思いもある。今後も新潟や他の被災地に心を配ると同時に、自分のふるさとの防災についても考えていければいいな、と思う。

  やや大げさに言えば、NPOへの支援的な活動。
条例案作成がまさにそれだが、ほかにもいくつかの活動を行っている。
例えば、「ボランティア斡旋制度」の構築・運営。これは、学生を中心とした希望者に、メーリングリストに登録してもらい、彼らにボランティア情報(主にNPO法人からの依頼)を提供する、というものだ。NPOと学生の掛け橋、とでもいえるだろうか。
また、「NPOマップ」も作成している。これは、島根県にあるNPO法人の所在地を、地図上に落とし込んだもの。NPO活動に参加した学生の感想なども、法人ごとに書いてある。これによって、より面白く、とっつきやすいNPO情報の提供を目指している。
ところで、こうした活動を通して一番感じているのは、NPOの認知度の低さ。実際の話だが、NPOを何かの宗教団体だと思っている人さえいるようだ。
また、認知していても正しく理解していない、という場合がある。
「NPOなのにお金を稼いでいるのはおかしい!」
「給料がでるのはおかしい!」
といった言葉は、その表れだろう。
こうした状況では、NPOを支える社会基盤は成長しない。社会的に認知されているからこそ、お金、人、情報が集まってくる。NPOを社会的に認知してもらうことは、急いで取り組むべき課題なのだ。
そのためにはまず、「NPOは意外に身近だ」ということを知ってもらうのが大事だ。
“NPO”と字面だけみると、アルファベットの羅列…。そのため、自分とは縁遠いものに思われがちだ。でも自分の生活を振り返ると、NPOのおかげでやれている、ということが結構ある。
例えば、子育て、環境問題、福祉etc…。生活に密着する分野で、草の根的な活動をしているNPOはたくさんある。まずは、そうしたことを知ってもらわなければならない。同時に、NPO活動への参加を呼びかけることも重要だ。実際にかかわることで、当事者としての意識が芽生えるからだ。
ただし、何もボランティアとして汗を流すことだけが参加ではない、という点は、しっかりと理解してもらうよう努力が必要だ。寄付をするだけ、あるいは物品を提供するだけ、という参加もあっていいのだ。逆に、そうしないと、NPOへの参加は活発にならないだろう。
世の中には、仕事で忙しい人もいれば、老後を持て余している人もいる。市民それぞれが、等身大で参加できる土壌づくりが大切なのだ。